鹿威し編

7/38

59人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
 ――翌日。  それは唐突にやってきた。友人の紗希からの電話。 『キタポケ見た?』 「うん」 『変なスレ立ってるっしょ』  興奮気味の紗希である。 「まあだいたいは変なスレだわね」 『そうじゃなくてっ。あれ、オフ会の』 「ああ……あれね」 『行くよね?』 「……は?」 『諸味沢』 「あれ釣りじゃん……」 『…………』 「…………」 『違うっしょ』 「釣りだろ」 『だから行くんだよ。どうせ冬休み暇だし』 「はぁ」 『暇なんだろ?』 「あーあ、暇ですよー」 『決まりっ! じゃあ日曜、駅前集合ねっ』 「待っ! 諸味沢の場所は――」  ――知ってるのかと訊こうとして、既に通信は途絶えていた。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加