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ある日の朝、いつもどおり部室に顔を出しに行った。うちの部活は上下関係が厳しかったので、毎朝一、二年は部室に顔を出さねばならない。
部室に着き、先輩に挨拶を済ませる。そしたら外から
「彰、ちょっと外来いよ。」
春樹先輩だった。先輩のなかではやさしく、面倒見のいい人だ。
ベンチに座り、「先輩なんですか?」
「ん~とな、お前一週間くらい前に彼女と別れたんだって?」
「はい?」
一週間前、その時付き合ってた女と大喧嘩してわかれた。
「でも何でですか?」
「俺の中学の後輩なんだけどな、昨日男紹介してくれって言われてさ。そいつもテニスしてるからテニス部の男の子がイイって言われてさ。」
「そうなんですか。大変ですね~あ、俺でよければメールしますよ。」
そのときはただ、今までの恋愛を忘れたくて仕方がなかった。しかし、この出会いがこんなに貴重なものになるとは予想できなかった。
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