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午後2:30
おひさまが空のてっぺんに昇りきって、ちょうどイイ暖かさになるこの時間。
季節は春。
木のざわめきや、小鳥たちがさえずり……近くの川が流れる音も聞こえる。
辺り一帯は花畑。
遠くには緑がおおいしげる山。
清々しい空気。
もう、なに1つ文句のつけ所がないこの村。
「んー、気持ちいいなぁ……」
とある木の幹に寄りかかり、大きく伸びをしている少女が呟いた。
金色の長い髪に、
深い、マリンブルーの眼。
白い肌は、搾りたての早朝のミルクを思わせる。
……私の名前はアリス。
その私は一度、大きく伸びをして、
「暇だなー」
小さく独り言を言った。
この村は、のどかよ。
だけど……のどかスギて退屈。
私はハラハラ、ドキドキするハプニングも好き。
だから…。
「あーぁ、喋って踊るウサギでもいないかな?」
まぁ、そんなバカみたいなコトをぼやいてた。
なぜウサギかって?
別に、ウナギでもイイんだけど…それじゃつまんないでしょ?
私は1番、ウサギが好きだからと言う簡単な理由。
そんな私の眼に入ったのは…。
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