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少しボヤけた視線の先には
カッターがあった。
アタシは母さんが部屋を出たと同時にカッターに手をとる。
「いや…もうイヤ!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして
おもいっきり手にカッターをあてて引いた。
痛い
痛い
痛い
痛い
痛い
痛い
痛い
ううん
こんなの痛くなんかない。
アタシの心は
何度切っても痛さにはかなわない。
アタシの痛みは
こんなんじゃない。
もっと もっと もっともっともっともっともっともっともっともっともっと
「もっ…と…痛いのにぃ…………」
ベットに流れる
赤いアタシの血。
手には無数の切り傷。
もう
戻れない。
もう
戻れないんだ。
手から流れる
赤い、臭い血のにおい。
アタシの頬から
一粒の涙がついた。
気が付けば
アタシは泣きながら手を切ってた。
涙にまじって
血が少し薄くなる。
切っても切っても
アタシは消えない。
アタシはずっと
汚いままなのに。
なんで
こうなったの?
アタシは空を見上げた。
切った方の左手を空にかざす。
血がポタポタと頬に落ちる。
こんなに青い空。
こんなに澄んでる。
「きれい…」
アタシは
どっちにキレイって言ってるの?
空かな?
手の傷かな?
でもアタシに
キレイなんか言う資格ない。
だって
キタナイアタシだから
(-光はきっと無い。-)
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