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「…はぁ」
グラウスが立ち去ってから一時間程度、ユカはため息をついてばかりいた。
少し窓を覗けば、昼夜構わず働いている『彼』。
「やっぱり、無理だよね。」
ユカは諦め、明日結婚を受け入れることにした。
PM0:20
城中が寝静まったのを確認すると、ユカは昔よく使っていた隠し通路に行った。
「懐かしい…」
暗い物置の奥にそれはあった。
そこまで距離は長いものではなく、城の壁を越すためだけに作られたものである。
抜けた先は大木の下にある
「外に出て、思いっきり遊んで、気分入れ替えよう…」
通路のドアに手を伸ばそうとした途端に、勢いよくドアが開かれた。
「見張り、いたの…?」
ユカはおそるおそる通路を覗いた。
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