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覗いた先には、あの、窓から見えたいつも働いている奴隷の『彼』がいた。
「大丈夫ですか?」
思わず聞いてしまったが、彼は何に驚いてるのか、しきりに首を縦に振るだけだった。
「悪い人じゃ…ないですよね?」
実際に会ったことのない人なので、おそるおそる聞いてみた。
またも彼は首を縦に振り返事をしてくれた。
そして、ユカは一番気になっていたことを聞いてみた。
「私に…何か用でしたか?」
すると、やっと彼は声を出して全てを語った。
そして彼もこう問い掛けた。
「王女様こそ、何でこんなところに…?」
「話せば長くなりますが、よろしいですか?」
彼は頷いた。
ユカは、政略結婚や戦争の話を全て話した。
「それって、奴隷なんかに話して良い事なのか?」
「口外しなければ大丈夫です。
それより、逃げるなら早くした方がいいですよ。 ここから城下町門までは結構距離がありますから。」
自分も一緒に… と言いたかったが、王女である自分が逃げると、彼に迷惑が掛かるのが目に見えていたため、言い出せなかった。
「そうだな…
もし、ですよ。
王女様がその事実を否定したいなら、俺の後ろについてきてください。」
「えっ!?」
「行きましょう、俺達と。」
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