5人の逃走劇

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門から100メートルくらいの距離で門番は気がついた。 ハルの言った通り、二人がこちらに走ってきた。 「行くよっ!!」 ハルがまず軽装備な兵士の腹部を跳び蹴りで飛ばした。 その後、ケンがもう一人の顔にパンチを繰り出し、後ろからカズキが投げ技で飛ばした。 「コウ、今!!」 「分かった!!」 コウはユカの手を持ち、全速力で走った。 「速い…」 ユカはその速さについていけず、ほぼ空を飛んだようになっている。 「もう、大丈夫か…」 後ろを見ると、僅かだが三人と起きた兵士がまた闘っている。 ――兵士の人数が、5人!? しかもあれは、魔法軍!? 魔法軍というのは、魔法を使って戦う軍隊の事である。 おそらくさっきのうちの一人が魔法で救助を頼んだのだろう。 「助けなきゃ!!」 その時、頭に聞き覚えのある声が入った。 『先に行って!!』 ハルであった。 ハルは昔から魔具を持っていて、簡単な魔法は独学で使えるようにしたという。 このテレパシー能力もおそらくは魔法だろう。 コウは、ハルの言葉を信じ、ユカを引っ張った。 「頑張れよ、ハル!!」
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