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それは今から1週間ほど前の話しだ。
高田は久しぶりに休暇をとり田舎に帰ろうと計画していた。
だがその計画はもろくも崩れさる。
その日、高田は上司に呼ばれていた。
「高田、お前今週の週末に休暇とってたよな?」
上司のその言葉に不安を感じながらも高田は返事をした。
「ええ、それが何か?」
「実はな行ってもらいたい所があるだ…」
高田の不安は見事に的中した。上司は畳み込むように話しを続ける。
「先日警察に協力依頼がきてね」
そう言って一枚の紙をデスクから取り出す。そして高田の前に出した。
高田はその紙を手にとる。紙には何やら文章が書いてあった。
高田はその文章を読みながら上司の話しを聞いた。
「今動けるのはお前だけなんだよ。休暇とってるお前は特捜本部に加わってないだろ?他の奴は皆ではらっちまうんだよ。
だから頼む」
そう言って上司は頭を下げた。
高田の返事は紙に書かれていた文章を読み終えたときにすでに決まっていた。
「行きます」
高田の返事を聞いた上司は笑顔になった。
「そうか行ってくれるか!助かるよ」
笑顔の上司に高田は眉間にシワをよせて真顔で答える。
「嫌な予感がするんです。何かよくないことが起こるような…そんなきがするんです…。この紙貰ってもいいですか?」
真顔の高田に上司も真顔になる。
「ああ、それはコピーだからな、持ってって構わないよ」
その返事を聞くと高田は紙をポケットにしまい歩きだした。
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