兄ちゃん…頼みあるねん

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ー午後1時10分ー 梅垣は池谷と合流すると軽く昼食代わりにマクドナルドに入り30分ほど滞在した後2時過ぎに梅垣宅に到着した。 梅垣は鍵でドアを開ける。 すると… 玄関から見える部屋にはまだパジャマ姿でボーッとしている愛の姿があった。 『おかえり~かずよし君』 まだ眠そうな愛の声であった。 『ただいま』 『あれ?』 愛は梅垣の後ろに立つ池谷に目を移した。 『えっと…』 池谷は少し戸惑いの目で梅垣を見た。 『ああ…紹介するわ…コイツがオレと今同居してる北田愛』 『池谷です』 シャイな池谷は愛を見て頭を軽く下げた。 『毎度!北田愛っす!』 対照的に愛は気軽に手を挙げた。 『まあ玄関で何やし入ってや』 梅垣に促されてようやく池谷が部屋へと上がった。 この後愛を交えて3人はしばらく雑談していた。 すると1時間位経過した時… (ドンドンドン) 激しくドアを叩く音がした。しかし梅垣の部屋ではない。 (ドンドンドン) 先程より少し大きな音でドアを叩く音… さすがに気になり出した3人は玄関のドアに耳をつけた。 ドアを開けないのは少し怖さもあるからである。 『おるのわかってるねんで!』 ついに声がした。 女の声である。 『恋愛のトラブル?』 怖い人ではなさそうなので恐怖がなくなった愛は梅垣をニヤニヤした顔で見て小声で言った。 『何やろな』 梅垣もニヤニヤしている。 この手のネタは若い彼等には気になるのであろう。 (ドンドンドン) 再び女はドアを叩いた 『お父さん!!隠れても無駄やで』 『お父さんかい!』 思わず梅垣は残念そうにつぶやいた。 女とドアを叩かれている者の関係がわかってすっかり興冷めした3人はこの後ドアから離れて部屋へと戻った。 戻った後もしばらくドアを叩く音と女の声はしたが5分もするとヒールの「カタカタ」という音と共に止まった。 『諦めたみたいやな』 とりあえず結果が出た所で梅垣は口を開いた。 『結構しつこいタイプの女やったね』 愛が相槌を打った。 この話題はここまでと3人は思った。 しかしその時… (ピンポーン) 梅垣の家のインターホンがなり響いた。
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