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抜差し 駆引き 無情のサガ
今尚引摺り出される渇望に
掻乱された内壁を
のたうち回る過敏さで
至極真面な言の葉で
扱く己が魅せる情欲に
此でも飽き足らんかと
施す情事
抜差し 駆引き 無情の性
飽く事垣間見 褥に擦れて粟立つ生肌
引き契らんばかりの楔に絡む偽愛の襞(ヒダ)を
抉り 引摺り むしゃぶりつく
震える鈴口爪を立て
気付く己の武者震い
啼く鳴く声が枯れるまで
枯れれば貴方で潤して
鬼や鬼やと言われても
喩え人の子俗世の子
脳髄痺れる甘い毒
今宵もたっぷり注いでは
溢れ返ったその毒を
一献残らず飲込んで
明放たれた腰浮く熱に
疼く自身を慰める
悶え打ち狂う褥に刻む淫らな皺数数え
喰い散らかして
撒き散らす
登る陽止めて
時間を止めて
そして此の首
息の根止めて…
響く水音に隠れた
枯渇し憐れな己自身に
慈愛と言う名の刃を突刺して
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