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男は走っていたー。大きく息を切らせながら
ーコロサレルー
男の脳裏にはその事で一杯だった
ーシニタクナイー
そればかりを思った。
しかし
彼を追いかけてくる敵は直ぐ様彼に追いついた
ーモウダメダー
と思ったその時だった。
「ようやく見つけましたよ。赤川一朗さん?…やはり今日も辻斬りですか…。でもそれも今日で終わりのようですね…。」
と言いながら、男と敵の間に、あさぎ色の羽織を纏った、何が可笑しいのかニコニコと笑った青年が立ちはだかった。
敵である赤川一朗…否辻斬りの赤川一朗は青年に刃を向けた。どうやら、アサギ色の羽織を纏った青年をさきに斬り男を斬るつもりらしい。
「貴様…何のつもりだ?人助けか…。まだ餓鬼の分際で」
赤川一朗は青年に斬りかかる。
ガキィンと言う金属の触れ合う音が響く。
相変わらずニコニコと笑った青年は
「おや餓鬼ですか。残念ながら私は今年20歳何ですよ。餓鬼じゃありません。まぁ貴方からしたら餓鬼でしょうがね。まぁ良いでしょう餓鬼でも」
と赤川一朗が降り下ろした剣を受け止めた。
「ほぅ。貴様は男か…刀を抜くまで知らなかったよ。そのような女子の様な男にワシが斬られるとでも思うたか。」
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