プロローグ

2/4
前へ
/8ページ
次へ
男は走っていたー。大きく息を切らせながら ーコロサレルー 男の脳裏にはその事で一杯だった ーシニタクナイー そればかりを思った。 しかし 彼を追いかけてくる敵は直ぐ様彼に追いついた ーモウダメダー と思ったその時だった。 「ようやく見つけましたよ。赤川一朗さん?…やはり今日も辻斬りですか…。でもそれも今日で終わりのようですね…。」 と言いながら、男と敵の間に、あさぎ色の羽織を纏った、何が可笑しいのかニコニコと笑った青年が立ちはだかった。 敵である赤川一朗…否辻斬りの赤川一朗は青年に刃を向けた。どうやら、アサギ色の羽織を纏った青年をさきに斬り男を斬るつもりらしい。 「貴様…何のつもりだ?人助けか…。まだ餓鬼の分際で」 赤川一朗は青年に斬りかかる。 ガキィンと言う金属の触れ合う音が響く。 相変わらずニコニコと笑った青年は 「おや餓鬼ですか。残念ながら私は今年20歳何ですよ。餓鬼じゃありません。まぁ貴方からしたら餓鬼でしょうがね。まぁ良いでしょう餓鬼でも」 と赤川一朗が降り下ろした剣を受け止めた。 「ほぅ。貴様は男か…刀を抜くまで知らなかったよ。そのような女子の様な男にワシが斬られるとでも思うたか。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加