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皮肉を込めた笑みで赤川一朗は青年を見る。
「おや…女子ですか。よく言われますよ。所で貴方は私達を知らない様ですね…」
女子の様な青年は、クスクス笑い赤川一朗を見る。
「知らないだと?…」
赤川一朗は青年から、2、3歩程間合いをとる。
「えぇ。ご存じありませんか?このあさぎ色の羽織。」
「知らん」
「ならば…新撰組とでも言えばお分かり頂けますか?」
赤川一朗は大きな笑い声をあげた
「ほぅ…。愚かものが…。貴様の様な者が新撰組か。貴様の様なものが新撰組なわけ無かろう。…新撰組風情め」
青年は、やはりクスクス笑っている
「やはり貴方は何一つ私達を分かっちゃいないですね。ならば知らないままで…どうぞ」
と言うと、新撰組風情で女子顔で餓鬼の様な青年は赤川一朗を三段突きで斬り倒したー。
赤川一朗は途切れ途切れに
「貴様…やはり本当の新撰組…のようだな…。名は?」
「沖田総司と言います」
青年ー沖田総司ーの名前を聞くか聞かないかのウチに赤川一朗は息を引き取った。
「お怪我はありませんでしたか?」
沖田はくるりと向きを変え男に話しかけた。
「はい」
男は脅えながら、沖田の質問に答える。
「そんなに怖がらないで下さい。貴方は?」
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