プロローグ

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沖田は、未だ笑っていながらも先程とは違う笑いで男に話しかける 「い…井上…雅二」 男と言ってもまだ、9~10つ位の雅二は答える。 「おや原さんと同じ名字だ。雅二くんですか!お家まで送りますよ」 優しい笑みの沖田は雅二の手を取る。 「……はい…」 「雅二くんは…くずきりは、お好きですか?」 「はい」 「ならそこに甘味屋があります。食べて行きましょうよ。奢りますから」 今まで暗かった雅二の顔がパアっと明るくなる 「はい!」 先程よりも笑顔の沖田は雅二の手を引き甘味屋に入った。 「いっらっしゃい!おや沖田先生。今日は何をお求めでございますやろか?」 「くずきりを二つ」 「へい!おおきに」 沖田は甘味屋の常連らしかった。 「あと帰る際にこの子に鯛焼きと団子を2、3個持たせてあげて下さい。」 出てきたくずきりを頬張りながら沖田は言う。
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