恨み

2/4
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
しばらくすると土産ようの団子が運ばれてきた。「なら雅二くん帰りましょうか?」 沖田は先程よりも明るい笑顔で雅二に手を伸ばす。 その時だった 「沖田さん沖田さん」 誰かに声をかけられた。くぐもった声だった。 「はい?」 少し怪しく感じながらも呼ばれたからには行くしかあるまい。 沖田は声のする方へと向かった。 「沖田さんこっちです」 そのくぐもった声はその店のすぐ隣の小道から聞こていた。 「何ですか?隠れなくても…」 「いえ私はあまり人目が嫌いなので」 「人目が嫌い?」 「えぇ…あなたのせいでね」 沖田はそこで怪しさが本物だった事に気がつき太刀を抜いた 「あなたのせいで仲間が…」 そのくぐもった声は男だった。しかしその男は刀ではなく木刀で格好はかなり水簿らしかった 「それで私と戦うおつもりで?」 クスクス笑いながら沖田は聞く 「当たり前だ。」 「おかしな人もいるもんですねぇ…。あなたは仲間を失ったなら私の実力を知ってるはずでしょう?」 「あぁ知ってるさケド子供の前でなら人は斬れぬだろう?」 男は怒りに満ちた憎悪の表情で話している、 「なぜです?」 「子供が好きであろう?嫌われなくはないだろう?」 「えぇ…でもここに子供はいませんし…木刀でなら私は切れません。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!