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しばらくすると土産ようの団子が運ばれてきた。「なら雅二くん帰りましょうか?」
沖田は先程よりも明るい笑顔で雅二に手を伸ばす。
その時だった
「沖田さん沖田さん」
誰かに声をかけられた。くぐもった声だった。
「はい?」
少し怪しく感じながらも呼ばれたからには行くしかあるまい。
沖田は声のする方へと向かった。
「沖田さんこっちです」
そのくぐもった声はその店のすぐ隣の小道から聞こていた。
「何ですか?隠れなくても…」
「いえ私はあまり人目が嫌いなので」
「人目が嫌い?」
「えぇ…あなたのせいでね」
沖田はそこで怪しさが本物だった事に気がつき太刀を抜いた
「あなたのせいで仲間が…」
そのくぐもった声は男だった。しかしその男は刀ではなく木刀で格好はかなり水簿らしかった
「それで私と戦うおつもりで?」
クスクス笑いながら沖田は聞く
「当たり前だ。」
「おかしな人もいるもんですねぇ…。あなたは仲間を失ったなら私の実力を知ってるはずでしょう?」
「あぁ知ってるさケド子供の前でなら人は斬れぬだろう?」
男は怒りに満ちた憎悪の表情で話している、
「なぜです?」
「子供が好きであろう?嫌われなくはないだろう?」
「えぇ…でもここに子供はいませんし…木刀でなら私は切れません。」
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