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塔の名は『大地の塔』と言った。
いつからそこに立っていたのか、どうしてこの塔が『大地の塔』と呼ばれるのか、誰も知らない。
何の目的で造られたのか、誰がそこから見える景色を私と同じように眺めたのかも、誰も知らない。
ただ一つ分かっている事は、今現在、この塔から見える最高の景色を独占しているのは世界中で私だけだということだ。
何一つ邪魔するものがない世界で、私は独り、世界の全てを手に入れたかのような甘い恍惚感に酔いしれていた。
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