"宮園"といふもの

1/10
前へ
/86ページ
次へ

"宮園"といふもの

* 宮園 繭……か……。 煉は考え、そして悩んでいた。 やはり、今からでもこの娘を置いて逃げてしまおうか、と。 何故急にそんなことを思い考えたのか。 それは彼女の名前、乃ち"宮園 繭"という名前に問題があった。 ここ、矢都街(ヤツマチ)だけではなく、どこを探しても"宮園"という名はある一つの"家"を指す。 それは、正に煉の同族、この国でも数少ない"魔術師"の家系だ。 それ乃ち、今の煉にとって一番関わり合いたくない人物逹なのである。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

207人が本棚に入れています
本棚に追加