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"宮園"といふもの
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宮園 繭……か……。
煉は考え、そして悩んでいた。
やはり、今からでもこの娘を置いて逃げてしまおうか、と。
何故急にそんなことを思い考えたのか。
それは彼女の名前、乃ち"宮園 繭"という名前に問題があった。
ここ、矢都街(ヤツマチ)だけではなく、どこを探しても"宮園"という名はある一つの"家"を指す。
それは、正に煉の同族、この国でも数少ない"魔術師"の家系だ。
それ乃ち、今の煉にとって一番関わり合いたくない人物逹なのである。
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