月光 煉(ツキミツ レン)

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だが、彼にとっては一大事なのだ。 今、彼は勤務中である。 では、何故彼がこんな場にいるのか。 それは、もちろん昼休み中だからなのだが、問題はそんなことではなく、この場所と職場との距離だ。 約5km。 そう、彼は勝手に決めた。 実際のところ、その距離は大体5kmなので、そこら辺の勘はいいらしい。 悲しいかな、飲み物を手に入れる最短距離がこの自動販売機なのだ。 あり得ないと思うかもしれないが事実なので仕方がない。 職場が山の中なのだから仕方ないというしかない。 しかも大して都会でないというのが痛すぎる。目もあてられない。
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