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「もう……ダメだ…」
そう呟き、月光は商店街のとあるベンチに座った。
「冷たい飲み物が欲しい……」
そう何度も呟いている姿は一見危ない人にも見える。
通りかかる人は怪しんでいるのか心配しているのか、訝しげな顔をしたりする人もいた。
ふとそのことに気付いたのか、彼はその人に対し、その死にそうな顔でニコリと精一杯の笑顔を見せた。
何故、彼がこんなことをしたのか、その真意はわからないが、今の彼にとっての精一杯の笑顔は微笑である。
故に逆効果であった。
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