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確かに私は目が笑わなくなった。
しかしそれは誰も信じられなくなっただけではない。
ただ悲しかった。
本当にただ悲しかった。
一番愛してくれてると思ってる親からの裏切り。
私にとってはとても悲しかった。
しかしそれが分からないわけではない。
今はいいが、母は昔から体が弱く薬をのまなければいけなかった。
ましてや学校から帰っては家から出れなかった。
私が羨ましがったのだろう。
帰ってくれば友達や近くのチビっこが迎えにくる。
そして外に遊びに行き、夜遅くに泥だらけになり帰ってくる。
たまに暇な時は公園のいつもの木の上で寝る。
男も女も子供も関係なく遊ぶし仲も良かった。
そんな自由な私が羨ましがったのだろう。
私は少しでも理解してあげようと必死にもがいた。
というかそう思い込むよう自分に言い聞かせた。
それが小学生三年生の頃だった。
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