あるヒーローへの判決

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向こう岸に着くまで、俺はずっと黙っていた。というより喋る事が出来なかった。 ―死人に口無し― ふとそんな事ば脳裏に浮かび、やはりそうなのだなと一人考えていた。 その間に少女は こちらに向かって色々話していた。元々話好きなのだろう。話始めたら止まる事を知らないかのように喋り続けている。 最近地震で神社が壊れたやら、スキマ妖怪がなんたら、脇巫女がなんたら……。 話の内容はよく分からない話なので聞き流す程度に聞いていく。 程なくして対岸に着いた。 少女はまっすぐあの建物にいくようにと、遠くを指さしながら言った。見ると確かに向こうに大きな建物が見える。 俺は再び一人で歩き出した。  建物につくと鬼達が閻魔の間まで案内してくれた。中にいたのはこれまた少女で、先程の娘よりも幼い、年端もいかないような姿だった。しかし、その表情はきりっとしていて威厳があり、やはり閻魔なのだと感じとれる。 その閻魔の口が開き俺への処分が下された。 「あなたは地獄行きです」 思考が、いっぺんに吹き飛んだように真っ白になる。閻魔の口から出た答えを飲み込み、理解するのにしばらく時間がかかった。そして理解出来た瞬間、閻魔様につっ掛かるように今までしてきた事を説明しようとした。しかし、声はでないので説明のしようがない。 俺の様子をみて何か察したのか、彼女は静かに口を開いた。
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