あるヒーローへの判決

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「確かに、あなたがしてきた事は善行であると言えるものでしょう。しかし 貴方は 自分が倒してきた物が本物の悪だと いい切れるのですか?」 ……本物の悪? 悪に本物も偽物もないじゃないんだろうか。どんな理由でも 悪は悪 絶対に滅するべきだ。 「その事に気付いてない……それが貴方の罪です。そして それをこれから変えていく為に貴方をこの地獄に入れるのです」 閻魔様の言葉と共に ズブリと体が床に沈み始めた。必死にもがき続けるが むしろ早く沈んでいるような気がする。 顔の半分ぐらいが埋まった所で助けを求めるような目で閻魔様を見る。 彼女は目はなんの感情も持たない冷たい目をしながら喋った。 「貴方が罪に気付いた時、きっと貴方の魂が救われるでしょう」 そしてぷっつりと意識が途絶えた。
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