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会社の駐車場に車を停めてから
事務所に急ぐ。
混雑したエレベーターに乗り込むと隣から声をかけられた。
「おはようございます。社長。」
『あぁ、おはよう。』
声をかけてきた人物は【安藤】
俺の会社の社員だ。
俺の会社といっても親父の子会社を任されているだけ。
実際は印鑑を押しているだけの仕事だ。
『ちなみに【安藤】もしかして遅刻か?』
「すいません。途中どっかの馬鹿が起こした事故のせいで遅れました。」
『おぉ…。それは悪かった。』
少し怒った表情を【安藤】に向ける。
「えっ…もしかして…」
怯えた顔で俺を覗き込んできた。
『その馬鹿は俺だよ。』
「えっ…えぇ~!」
やってしまった。
という表情でが俯いている。
『【安藤】気にしていいぞ』
「はい…って社長!そこは普通気にするなって言う所じゃないんですか?」
笑いながら【安藤】が答える。
『あぁ、俺は普通じゃないからなっ!』
俺も笑顔で答えた。
二人して、エレベーターの中で笑いあった。
【安藤】は大学の後輩だ。
おっちょこちょいで脳天気な奴。しかし営業に関しては才能がある。
【安藤】の笑顔からはマイナスイオンが出てるに違いない。
癒し系サラリーマンって感じだ。
俺は事故の内容を説明しながら事務所へと入っていった。
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