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ひまわりさん
私はこれを、病床で書いています。
あなたがこれを読むときは、私はもうこの世にいないということになりますね。
どうか、最後に逢いに行けない私を、許してください。
この病は、人に遷ってしまうので、あなたに遷したらどうする、と土方さんに諭され…私は自分の未熟さを思いしりました。
ほんとうにすみません。
ただ、重く考えないで欲しいのです。
いつかは、みんな、死ぬ。
それが少し、私は早かっただけだと、理解してください。
私が死んだあとは、全て土方さんが世話をしてくれるでしょう。
私のことは、心配しないでください。
ただ…
土方さんが、私はとても心配だ。
あの人は、強いようで、脆い。
ひまわりさんに、そっくりなんです。
私が好きな二人が、幸せでいることが、私の望みです。
こんなことを頼めた義理ではありませんが、どうか、土方さんを、よろしくお願いします。
きっとあの人は、ひまわりさんの恨みを買って、あなたを死なせまいとするでしょう。
でも、それは、まやかしだと、わかって欲しいのです。
土方さんと、ひまわりさんが、自分の命を全うすること…
それが私の、願いです。
どうか、達者で。
沖田 総司
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