青葉【あおば】

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「ほんとうに、綺麗ですね…」              彼も立ち上がってこちらへ来る。              鼓動が、速くなる。 抱かれたら、どんなだろう… この人に、触れられたら…              「…みたいだ」 「えっ?」              あまりにも鼓動が速くて、聞こえなかったのだ。              「今宵の月は、青葉みたいだと… きりっとしていて、誰にも怯まない」              この人は、気が付いているのだろうか。              「清さん、それ、殺し文句」              「えっ…」              彼はまた顔を赤らめる。              「わっちは…清さんに…」 はあ、と大きなため息を吐く。 「抱かれたい」 言った瞬間、時が止まるかと思った。              彼は目を大きく見開いて、それからやさしい眼差しでわたしを包む。              「抱かれたいと思ったのは…初めて…」 月が二人をかすかに照らす。              「清さんだから…清さんだったから…」 もうあとは言葉にならない。涙が頬を伝う。
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