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どうすれば。
どうすればなんて、聞かれたことがない。
いつも、私には考える猶予なんて無かったから…
「どうしたら、いいのか…わっちにもわかりやせん…ただ」
彼の目を見てみる。ひどく澄んでいて、深い漆黒……
「ただ、清さんに、触れられたい」
彼の指が、私の頬に。
頬から、首筋に…
彼の指が触れる場所は、熱を帯びていく。
「…くち、を」
「はい」
「吸いますよ」
「はい…」
断られたのは、初めてだ。
彼の端正な顔が、近づいてくる。
私は眼を…閉じたくない。彼を、焼き付けていたい、心に…
ふわっ…っと、羽が触れるような口付け。
私はじれったくて、彼のくちびるを柔らかく、噛む。
彼は、少しくちびるを開く。
ああ…もう我慢できない。
そっと、舌を挿れてみた。
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