青葉【あおば】

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…それは、不思議だった。              快感とは、いろんな物が混じって快感なんだと…思った…                          弾けたと思った瞬間、がくがくと腰に走り抜ける衝撃、遊女の自分が目の前の男に抱かれているという現実、彼の透き通った瞳、自分の心に眠っていた愛されることへの憧れ、彼を愛しいと思っている自分…              いろんな物が一気に…弾け飛んで、脳裏にきらきらと、光って…それから消えた。              ふー、ふー、と息を切らす…自分。              まだ、彼は私のなかにいる。 彼も私の胸の上で、息を切らしている。              体が離れると、にこり、と彼は笑った。              また胸が痛む。              手の先、足の先が、痺れて…まだ重たい。              「青葉…」              見つめ合う…              言葉が、見当たらない。                          見つめているだけで、微笑むだけで… 相手の考えていることが、わかってしまう、そんな気がした。
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