第1章 ‐プロローグ‐

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宏祈は尚を見る。 ――人形のような顔立ちに、 大きくて愛らしい茶褐色の瞳。 ――黒のような藍色のサラサラな髪。 前髪を上でとめているのが可愛らくて特徴的。 容姿だけなら、女の子にも間違えられそうだ。 身長だって、萩野よりは高いものの、高校男子にしては低い。 160㎝ぐらいだろう。 そんなふうに尚を見ていると、 宏祈の視線に気付いて尚が宏祈を見る。 「どうかしたんですか?」 「いや、何でもないよ。 …ねぇ、萩野が今電話している人って、萩野にとってどういう存在?」 僕はさり気なく聞き出してみる。 “ゆかり”という人物が気になって仕方が無いから。
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