第1章 ‐プロローグ‐

9/29
前へ
/218ページ
次へ
愛想笑いをしている宏祈に、尚は少し宏祈の顔を見てから返事をする。 「“紫さん”は祈織の妹の雪姫【ユキ】ちゃんの憧れなんですよ。 それで、仲良くなったみたいです。年上の人らしいですよ。」 尚は素直に自分の知っている事を話した。 宏祈が祈織の事を気にかけていると分かったが、あえて、確認しなかった。 自分の立場が、委員会仲間の友達と分かっているからだ。 そして祈織にとっての自分も、ただの友達でしか無いと思う。 それが少し辛い。 何でも相談してほしいと思うし、できれば親友と呼べるような仲にもなりたいと思うから――…。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3627人が本棚に入れています
本棚に追加