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そんな事を考えていると、電話を終えた祈織が、笑いかけてきた。
「どうかした?尚。」
祈織の笑顔を見ると、一瞬だけ、祈織が女の子のように見えた。
こういう笑みをする時は、本当に笑っているんだ。
最近、一緒に居るようになった僕でも、分かるようになった。
そんな祈織に尚も笑って返した。
「何でも無いよ、祈織。」
「そっか、じゃあ早く寮に行こう?ボク、約束があるんだ。」
その時の祈織は西からのオレンジ色の光で、眩しくて表情は見えなかったけど、声のトーンから嬉しい事があると分かる。
きっと顔は綻んでいるだろうな。
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