第1章 ‐プロローグ‐

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祈織が行ってしまい、2人の間に居る尚は困惑する。 困っていると、智が急に尚の手を握ってきて、連れていこうとする。 「お前、アイツのダチか?」 「え、…えぇ、まぁ…。」 「なら、お前でいい。ちよっと来い。」 「僕は、ちょっと家に戻るから。宜しく。」 そう言って、宏祈も祈織の後を追うように、静かに寮に向かって歩いて行ってしまった。 尚は引きずられるように、智に連れて行かれた。 会長様だったから抵抗できる筈も無く…。 涙を浮かべた半泣き状態の瞳からは、 “誰か助けて…” そう訴えているように見えた…。
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