第1章 ‐プロローグ‐

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時間を確認して、外出届けを書いて部屋を出る。 部屋を出るとすぐ近くに真【マコト】がいた。 「マコ…。」 ――相原 真【アイハラ マコト】 ミディアムカットの髪に、寝癖のようなはねた緑色の髪。 見た目や口調からも分かるように少しおっとりとした性格。 魅入ってしまう、黒緑色【ダークグリーン】の瞳。 (祈織よりは高いが)あまり高いとはいえない身長。 細い腕や足。 女の子のような可愛い男の子。 ボクの―…中学時代の部活仲間で、数少ない親友の1人だ。 「何処か、行くの?」 微かに笑って真は問う。 流石に、「彼女とデート」とは言えない。 だって、みんなには秘密にしているから。 「ちょっと…密会しに…ね。」 少し誤魔化した感じに言い去って ボクはいつも紫さんと会うカフェへ向かった。 そのカフェは図書館の近くにある、落ち着いた感じのカフェだ。 待ち合わせは6時。 あと、20分しかない。 (少し…走るか。) 祈織は人ごみの少ない通りを走る。 愛しい人の待つ、待ち合わせのカフェまで。
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