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「祈織!」
「‥尚。どうした?」
「あのね、祈織、これから暇?
暇なら一緒に寮に戻らない?」
少し遠慮しがちに頼む、涼木 尚【スズキ ショウ】。
“いいよ”と言い掛けて、口籠もる。
今は放課後。
一度、生徒会室に行かなきゃいけない。
「…祈織…?」
ま、いっか。
一回ぐらいサボっても。
不安そうに見つめてくる尚に、
ボクはニッコリ笑った。
その笑みは、愛想笑いなんかじゃなくて、心から笑っていた。
「いいよ。一緒に戻ろ!」
「うん!…あ、でもいいの?『Honey』の仕事は?」
「…別にサボるからいい。
第一、行きたくないし。」
ボクは少し疲れた表情を浮かべていた。
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