期待

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耕平から  『新しい車が今日ウチに来たからドライブに行こう』 と電話があったので、私は耕平の家に向かった。 電話があったのは普通の家庭ならみんな寝始めているころだ。 携帯電話も無い時代に、こんな時間に電話をかけてくるなんて、なんて迷惑な奴だ! などと思う事もない。 なぜなら私たちの中では、週末の夜に出歩くなんて事は日常茶飯事だったからだ。 私も耕平も家より車にいる時のほうが多いくらい車が大好きだったので、『新しい車が来た』などと言われれば、耕平の家に迎う私の足取りもいつもに増して軽快だった。
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