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「健!死ぬな!……また一緒に馬鹿騒ぎしようぜ……、だから死ぬな!俺お前にまだちゃんと謝ってねーし……」
俺の言葉にあいつは小さく笑い
「先行って待ってる」
そうかすかにつぶやいた。
そしてそのまま閉じられた瞳が、二度と開くことはなかった……
「祐馬?」
病院を出た俺は、行く当てがあるわけでもなく一人ぶらぶらと歩いていた。
このまま家に帰るのも何か嫌で、かといってどこに行こうかと思ったわけでもない。
だけど……
一人になったらきっと涙が頬を伝う。
一人泣くことをあいつは望んじゃ居ない。
だから泣かないためにもと、俺はぶらついていた。
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