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そう名乗ったのは立っているものだった
一歩ずつこちらに向かって歩いてくる
明るい廊下の光に照らされてその姿があらわになった
やたら舌が長く目はカタツムリのように上へ延びていて、片腕は膝の辺りまで降りており簡単に言えば全てが長かった
「ちょっとー!アンタなん…」
「アダラ…二等星のトップクラスですね」
ヘルメースが言葉をあてようとしたときフォーマルハウトがヘルメースの口を手で押さえて言った
「違う!!我は一等星だ!!」
アダラは声を張り上げて言う
「スペクトル型がB1Ⅱの青白く輝く輝巨星。距離430光年。2等星の中で最も明るい。君のデータだよ」
ジュノーが静かに言う
「人間が悪いのだ!!人間は我を一等星とは認めなかった!『もう少し明るかったら』…。人間の目がいけないのだ!我は人間を恨む!憎む!!」
そう叫びながら周りにある人形をその長い手で引き裂いていく
「どうでもいいけどさ僕の部屋散らかすのやめてくれない?」
!!!
アダラが気付いた時にはジュノーがアダラの裏で引き裂かれた人形を片付けていた
「な!!」
ジュノーの声が後ろから聞こえた事に驚きアダラは振り返る
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