第1章 宿命

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━ここ、王都フォークロアはかなり平和的で争いごとなどめったに起こらない国だ、ひとつ問題があるとすれば━時を同じくして王城。王の謁見の間では国王ルビン・アイシスと城の北の神殿ポリスの元神官アイビーが何やら言い争っていた。           「王!どうか考えをお直しください!」            アイビーは強く言う、彼は王を憎んでいた。彼はある女性と暮らし愛し合っていた。しかし王は悪戯にその仲を引き離し二度と会えぬようにその女性を国から追放したのだ、それに反発しアイビーは王に神官を解任させられた、そのことで今も話しているのだろう。そのこともあって、彼はある計画を企てていた。         -数時間前-         神殿ポリスの地下室でアイビーは何かの魔法陣を描いていた。それは“この地に眠る魔王を復活”させるものだった。そう、魔王の体はここ神殿ポリスの下にあるのだ!  かつて勇者達は魔王の体を封印しその上にポリスを築いたことを知っていた。その力を利用しアイビーはフォークロアを支配するつもりだった。       そして、魔王は復活した。実体のない影だけの魔王の声が響く。 「我を忌まわしき眠りの呪いから解き放ったのは汝か?」    アイビーは言った。      「はい、ですから貴方様のお力でこの国を支配させてください」 魔王は笑うように影がうごめく、「よかろう…」        魔王は指を向け言った     「まずはお前の体を貰うがな!」指から光がほと走りアイビーの体を貫く!そして魔王とアイビーの中身が入れ替わった!アイビーは影だけの魔王に、魔王はアイビーに…。そして影になったアイビーは消えてしまった。魔王は高らかに笑うと神殿を後にし城へとむかった。
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