6人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
北風が舞う街を、アテも無く歩いていると、元気に走り回る男の子が一人。
「この寒い中、子供は元気だなぁ😃」
無邪気にはしゃぐ姿に足を止めた。
「そんなにはしゃいでいると転ぶぞ😁」と思った瞬間、ドタッと怪音が響いた。
そこには、ピクリとせずうつ伏せで寝転がっている男の子の姿が。
急いで駆け寄ると、男の子はおもむろに立ち上がった。
「大丈夫?痛いとこ無い?」
そう聞くと
『おひざが痛い』
震えるような声で小さく答えた。
「え⁉」
うまく聞き取れず、思わず聞き返してしまった。
『おひざが痛いの‼』
今度は大きな声で答えた。
今にも泣き出しそうな顔をして睨みつけている。
「それじゃあ、魔法の呪文を教えてあげるね😃
痛いの痛いの飛んでけぇ⤴」
そう唱えると、男の子は不思議そうな顔して聞いてきた。
『痛いの痛いのは、何処に飛んでちゃうの?』
えっ😵⁉予想外の質問に驚いた。
「何処だろう😓?多分、遠いお山かなぁ⤵?」
苦し紛れに答えた。
『だったら、遠いお山の人が可哀想じゃん😁』
余りにも素直で優しい言葉に絶句した。
「そうだね。その通りだね。ごめんね😢もう一度やり直すね。
痛いの痛いのお菓子に変われ。
痛いの痛いのオモチャに変われ。
痛いの痛いの笑顔に変われ⤴🎵」
そう唱えると男の子は、満面の天使の笑みを浮かべ、何度も何度もお母さんの迎えが来るまで呪文を唱えていた…
最初のコメントを投稿しよう!