薄化粧

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うっすらと白く薄化粧を済ませた街。 いつもの見慣れた街とは違う景色に少しだけ心が騒ぐ。 悲しみや愛しさ、寂しさに不安…色んな想いが胸を締め付けても、今はこの景色に溶けていたい。 全てを平等に白いベールで覆い隠し、ほんの一時だけでも、リセットさせてくれる。 醜い争いに汚れた世界に疲れ果て、逃げ場を探す旅人。 アテも無くさ迷い続け、ようやく見つけたオアシス。 一切の汚れも無く、静かに時間を旅する街と共に、このまま全てを忘れ、自然に身を任せていたい…
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