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「じゃあ何て呼べばいいですか?」
「アナタとか、パパとか」
「半ば強制に結婚しろって言ってるようなものですね」
「そうだよ?」
平然と睦樹は言ってのけた。
「今日呼び出したのは、凜央に会うのは勿論、もう一度告白しようと思ったからなんだ」
もう、何回目の凜央への告白だろう。
最初にフラれてからもう何年経っただろう。
今思えば、昔の睦樹は強かったと改めて思う。
よく、何度も告白できたと思う。
だが、それほど自分は凜央の事を愛していたのだ。
今はどうだ?まっすぐな気持ちに嘘はないか?
まさか、あるはずもない。
凜央は好きだ。
他の何よりも。
他の誰よりも。
嘘をつかず本気で向かってくる彼女に惚れた。
だから、俺は──。
「凜央。俺と婚約してくれ」
だから、俺も、彼女と同じように嘘や小細工をせずに、真っ正面から君に想いを伝えるよ。
「結婚してくれ」
差し出したのは婚約指輪。
受け取るか受け取らないか──それが大きく人生を変える。
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