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きっぱりと断り、睦樹に背を向け、歩き出す。
「どこ行くの?」
「安いホテルでも探して寝ます」
「……お金かかるよ?」
「構いません。先輩の家より野宿。野宿よりはホテルです」
「う……。確かに」
「それに、先輩の家にいくとロクな事が起こりそうにないので」
その言葉が、睦樹に突き刺さる。
「凜央~」
「先輩は、私よりも付き合う価値のある人と付き合ってください」
「何言って──」
「私の事なら、諦めてもらって結構です」
「!!」
凜央の言葉は、睦樹の心に浸透した。
「……今ちょっとプチンてきたかも」
睦樹は凜央の手を掴む。
「やっぱり俺の家連れてく」
「ちょっ──。放してください!!」
「凜央は自分がどれだけかわかってないみたいだから、凜央が自分を認めるまで野宿させない」
「ふざけないでください」
「ふざけてない」
男の人の力はやはり強いようで凜央は抵抗できなかった。
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