不幸

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「飼ってあげようか!」 元気な声が聞こえてきた。 僕は嬉しかった反面、やめた方がいいとも思った。 黒猫なんか飼っても、不幸になるだけだよ。 「ニャー」 必死で反論するがニャーしか出ない。 「いいよね?」 話は勝手に進んだ。 彼女が僕を抱き上げる。 あーあ…僕は知らないぞ。 捨てられるのはどうでもいいけど彼女を不幸にはしたくなかった。 「よしよし」 とはいえ彼女の髪の香りが流れてくる暖かい腕の中で、抵抗する気力すら出ずそのまま寝てしまった僕だった。
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