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辺りが暗くなってきた。
俺が蹴ったボールを拾い上げ竜にぃが言う。
『そろそろ暗くなってきたな…帰るぞ、姫』
『うん。帰ろっ』
そう言って幼い俺は5つ上の兄である竜にぃの側に駆け寄る。
竜にぃの名前は【竜巳(たつみ)】。でもいつの間にか、【竜にぃ】って呼ぶようになってた。
俺の名前は【朱姫哉(ときや)】。竜にぃは俺のことを【姫】と呼ぶ。
『なんで?』って昔聞いた覚えがあるけど、竜にぃがなんて答えたのか思い出せない。
思い出すのはいつも竜にぃの優しくて安心させるような笑顔だけだった。
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