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……彼とのデートは今日も最高で、デートのたびに彼の事が好きになるのを実感した。
「……もう、帰らないと……」
彼がポツリと呟いた。
「……まだ、帰りたくないよ……」
私は、道端にも関わらず、彼に思いっきり抱きついた。
周囲から、少し冷ややかな視線を感じたけれど、今の私にはそんな事どうでもよかった。
ただ、彼との残りわずかな時間を堪能したかった。
「好きだよ……」
彼が、私の耳元で甘く囁いた。
私もだよ……と、満面の笑みを浮かべて言おうとしたその時、またあのゾクッとするような冷たい視線を感じた。
その視線は、まるで今すぐ私を殺しにきてもおかしくないぐらい冷たく、鋭い視線だ。
私は、慌て辺りを見渡すが、足早に行き交う人々すべてがその視線を発しているような感覚さえ覚える。
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