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その後もあなたとのメール、電話のやりとりは続いていた。
うれしかったこと‥‥
悲しかったこと‥‥
ムカついたこと‥‥
あたしは包み隠さず、すべてをあなたに見せた。
あなたはあたしのつまらないメールに対しても返事をくれたよね。
そんなあなたが大好きだったの。
あたしは看護学校を卒業して社員として働き始めたばかりだった。
2年間お礼奉公が済むまで職場を離れることはできなかった。
メールであなたに伝えたよね。
「あたしお礼奉公終わったら、そっちに行こうかな。
で、そっちの上の学校目指そうかな」
返事を楽しみに待ってたんだよ。
(なんて言うかな‥‥)
数分後、あなたは返事をくれたよね。
「俺、東京に行くんだよね。
そのために今の職場に入ったんだ‥‥」
その後にも文章は続いていたよ‥‥
でもあたしの目には入らなかった。
『東京に行く』
何度も何度もその言葉がリピートされて頭の中に響いていた。
目の前が真っ暗になったよ。
(え?なんて言ったの?‥‥東‥京‥‥?)
急に胸が苦しくなった━━
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