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教室に入ると守の頭はチョークの粉で汚れた。『ぷはははははは!』守が急に笑い出したのを見てクラスの連中はみな驚いた。だが1番驚いていたのは守本人だった。【まっ、まさか強が笑ったからなのか?】【へっ?ぷははは、そんなことはないと思うよ。ふふっ、だって昨日も自分では動こうと思っても全然動けなかったからね】笑い出した後、急に黙って固まった守を少し気味悪く感じたが、井出真(いでまこと)は守に近付いてきた。『田中先輩、そこっ邪魔ですから席について下さい。』低く太い声でそう言い放った井出の目はニヤケながらも鋭く守を睨みつけていた。
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