君と過ごす一夜

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 雅樹はキャンドルサービスで会場が暗くなり招待客の意識が新郎、新婦に向かったのを見はからって会場を抜け出した。 母親は「こんなおめでたい席で」とでも言うように雅樹を軽く睨んだが何も言わなかった。  会場を抜けてロビーにつくと今まで我慢していた涙が溢れてきた。  ずっと泣くまいと我慢していたのだ。  どうして自分がこんな思いをしなければいけないのか?  悔しくて苦しくて惨めで……今の雅樹には自分の感情を抑えるすべ術が思いつかなかった。  何故よりによって自分の妹だったのか?
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