僕が知った君の秘密

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「別に好きで呼び出したわけじゃないよ」  そっけない雅樹の態度にも、峰晴は楽しそうに雅樹の顔を見つめている。 「何ニヤニヤしてるんだ?俺の顔に何か付いている?」 「いやぁ。俺って幸せだな~と思ってさ」 「幸せ?」 「雅樹は綺麗だし、こんな綺麗な人が俺のモノだと思ったら幸せだろ」  その言葉を聞いて雅樹は冷や汗が滲むのを感じた。 人の目があるこの店を待ち合わせの場所に選んで正解だった。 雅樹にあんな事をしておいて平然とこんな事を言ってしまう峰晴。 確かに付き合っている頃からのほほんとしていて、めげない男ではあったが、どこか壊れているとしか思えない言動だ。 「俺はお前のモノじゃないよ。何、勘違いしてるんだ?」  大体、人をモノ扱いするなんて失礼な話だ。
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