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「そ、そういう事だってないとは言いきれないだろう?」
「そうかもしれない。でも試しに会社に電話したら事務員の子が義父は休暇を取ってると教えてくれたよ。母に海外出張と嘘ついてまで、どこへ行ったんだろうな」
雅樹の澄んだ目に見つめられて峰晴の心が騒ぎ出す。
自分を縛りつけて離さない雅樹。
本人に自覚はないだろうがいつだってそうやって、雅樹は自分の心を虜にする。
峰晴は今までこんな人間に会った事がなかった。
雅樹に会うまで峰晴は男に恋情を抱いた事はない。
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