僕が知った君の秘密

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峰晴の天使、雅樹。 雅樹に嘘なんてつけない。 「雅樹の思っている通りだよ。愛奈の相手は雅樹のお義父さんだ。今、二人はハネムーンに行っていて日曜日の一時の飛行機で帰って来るんだ」  一瞬、雅樹の黒い瞳の中に絶望を見たような気がした。 しかし、すぐにその絶望は影を潜め、いつもの思慮深い瞳に戻った。 「峰晴はいつから二人の関係を知っていたんだ?」 「偽装結婚を持ちかけられた時に聞かされたよ。お互い実らない想いを抱く者同士、こうする事が一番いい方法だと思った。形だけは夫婦になって周囲を誤魔化して、俺は雅樹を……愛奈はお義父さんを愛し続けようって話し合ったんだ」 「実らない想い?」  聞き捨てならない言葉だ。
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