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あの時の行為を詫びて自分の元に戻って来て欲しいと言えればどんなに気持ちが楽だろうと思う。
しかし、あの時に雅樹に対して感じた気持ちが峰晴の本心だったのも事実なのだ。
「お前に聞かれて俺が答えると思う?絶対に教えない」
予想通りの答えに峰晴は肩をすくめた。
駅まで着いた雅樹は発券機に並んで会社までの自分の切符と雅樹の家の最寄駅までの切符を買って峰晴に渡す。
「もし俺の後をつけて来たらお前とは完全に縁を切ってやる」
切符を渡しながら小さな声で囁く。
雅樹の顔を見て本気だと感じた峰晴は雅樹の居場所を探るのを諦めざるをえない事を感じとった。
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